ヤマハ発動機グループと五十畑工業は、坂道でも軽い力で操作できる「避難車兼用電動アシストお散歩カー」を開発した。2年半の現場ヒアリングを経て完成し、9月から受注を開始する。
保育士の身体負担を大幅に軽減
立っているだけで汗ばむ季節、神奈川県横浜市のある保育園で試走が行われた。園児が乗車した状態を想定し、約70kgの重りを搭載したカートは、急な坂道でも女性保育士にとって「今までの10%くらいの力で動かす」ことができた。足腰の疲労軽減に寄与する可能性を示している。
従来、保育現場では手動のお散歩カーを使用していた。子どもたちが乗車すると何十キロにもなる重量を、保育士の力だけで移動させていたため、特に坂道などでは大きな身体的負荷となっていた。
消防技術の転用と現場寄り添い開発
この製品は、ヤマハ発動機グループのヤマハモーターエンジニアリングと、ベビーカーメーカーの五十畑工業が共同で開発した。前者はこれまで消防業界向けに電動アシストホースカーを手掛けてきたが、その技術を保育現場の課題解決に応用する形となった。
開発には2年半を要し、複数の保育園への試作車提供やヒアリングを重ねた。「簡単に操作できる」ことを最優先し、操作性や利便性を繰り返しブラッシュアップした。製品名は「避難車兼用電動アシストお散歩カー てくてくスワニー」となる。
10年ぶりの再販と社会課題の解決
五十畑工業はかつて電動お散歩カーを販売していたが、今回10年ぶりに世に届けることになった。背景には、災害時の避難や日々の移動を支える現場の声がある。人手不足が深刻化する保育業界において、業務負荷の軽減が求められている中、この製品が心強い支援となることが期待されている。
9月より受注を開始する予定だ。
